3月31日(火)🌧
午前 空きあり
午後 空きあり
4月1日(水)🌧
午前 混み
午後 空きあり
4月2日(木)🌤
午前 混み
午後 空きあり
最近はちょっと風邪をひいたとか花粉症で鼻水が止まらないとか、医者へ行くまでもない症状の時はすぐ、スギ薬局とかのドラッグストアへ駈け込んでしまうが、わたしが子供の頃はそうではなかった。田舎には薬屋やドラッグストアもないし、医者もバスで1時間以上掛かった町にしかいなかった。そんな時頼りになったのが「富山のくすり」で、神棚のとなりに赤い薬箱が燦然と鎮座していた。
年に一回季節が冬から春に変わるころ、風呂敷に包まれた柳行李を担いで、わたしの村にも越中富山のクスリ売りが颯爽とやって来た。
「♪越中ふんどしクスリ売り 鼻くそ丸めてマン金タ~ン♪」とはやしながらこども達はぞろぞろそのくすり売りの後をついて回った。そんな越中ふんどしのおじさんは皆やさしくて、紙風船やらペロペロキャンデーを子どもたちにも配ってくれたものだ。
先日、川島町の「くすり博物館」に行ったのだが、そこに「富山のくすり売り」のコーナーが設けられていて、非常におもしろくて1時間以上もすごしてしまった。とくに徳山村にのこされていた古文書が興味深くて、むつかしい文字をスマホで撮ったりして、後でNETで調べ直したりもした。
徳山の櫨原(はぜはら)地区に徳田屋という小さな旅館(はたご)があって、富山のくすり売りがやって来ると、村中の者が集まったそうだ。となり村の熊打ちや木こりもやって来た。テレビとかラジオの外部情報が全く入って来ない山奥のそのまた奥の集落では、あちこち歩いているクスリ売りからもたらされる情報が唯一の情報源だったのだろう。ときには「どこぞの村に良い嫁はいないだろうか」とかの相談もあったそうだ。
ドラッグストアの薬は、セルフレジでだれとも会話することなく買えるが、越中富山の鼻くそを丸めた萬金丹の効き目は、嫁の世話さえもしてくれるありがたいクスリだったのだろう。
こんな仲人仲介、職業紹介もやった売薬システムは古今東西世界中探しても日本にしか無い。
♪越中ふんどしクスリ売り 鼻くそ丸めて万金た~ん♪
鼻くそが目くそを笑ふ春の夢 いなだはまち

画像は女房の実家の物置きに転がっていたクスリ箱。昭和初期のものだが、桐の箱で文字も毛筆の手書きで立派な一品。ネットオークションでは10万円ぐらいの値がついている。もちろん売る気はないが。
