江戸から伊勢まで東海道を歩いた犬

12月26日(月)
午前 満車御礼           
午後 満車御礼

12月27日(火)
午前 朝1やや空き有り
午後 満車御礼

12月28日(水)☁
午前 満車御礼
午後 最終空き有り

 にわかには信じがたいことだが江戸時代に、江戸から東海道を歩いて伊勢神宮へ参拝した犬がいたそうだ。昔も今も動物は内宮宇治橋を渡れないから、大鳥居の脇にちょこんと座っていると、神宮神官がやって来てお札を首に括りつけてくれたそうだ。それを携えまた来た道をはるばる江戸へと帰ったことが多くの記録にも残されている。

 江戸深川長屋住まいの大工の熊さんは「一生にいちどはお伊勢さんにお参りしたい」と思いせっせと銭を貯めていたのだが、やっと目的が叶いそうになった時に病気になってしまった。家族の中にも伊勢まで歩ける元気な者はいなかったから、仕方なく犬のポチにその願いを託すことにした。「ポチ、頼んだぞ!」と話かけると「ワン、まかしとけ!」と答えたかどうかはわからない。落語のような話だが、実際に神宮文庫の記録にも記載されている本当にあった話だ。

 伊勢往復の路銀と皇大神宮のお札代を首に括りつけて、伊勢参宮に向かう旅人に同行してくれるよう江戸橋から見送ったそうだ。

画像は安藤広重の東海道五十三次「四日市日永の追分」。中央部分に描かれているのが忠犬ポチ。