「蝉」

　毎日これだけ暑いと狭いトイレで用を足すのも我慢の限界がある。ジッと動かず力んだりすると肝心のモノより汗が噴き出てしまうからだ。

　我が家のトイレの外にハゼの木があって、それがこの陽気で縦横に枝を伸ばし、ついに窓のすぐそばまで来てしまった。その枝の先端にこともあろうか、蝉の仲間で一番鳴き声のうるさいクマゼミが居付いてしまった。網戸のすぐ外の至近距離でシャーシャーシャーシャーとやられると、拷問でも受けているような気分になってしまう。そうかと言って窓を閉めたらもっと悲惨なことになってしまうだろう。加納城跡の気象台発表の温度が38℃なら、西陽の当たる我が家の狭いトイレは50℃になってしまうからだ。困ったものだ。涼しい早朝にでも木の枝を切り落とさねばなるまい。