岐阜市街散歩「ハルピン街(2)」

2月8日(木)☀
午前 空きなし
午後 空きなし

2月9日(金)☀
午前 空きなし
午後 空きなし

2月10日(土)🌤
午前 やや空き有り
午後 空きなし

かつてハルピン街には旅館の数がべらぼうに多くて、
ひとつの通りに2~3軒は必ずあったそうだ。
しかもそのほとんどが素泊まり専門で、東北や九州から
夜行列車で岐阜駅に着いた買い出し業者が、
予約も何もなしに転がりこんで来たらしい。
「岐阜のハルピンへ行けば何とかなる。」と
噂がうわさを呼んで、全国から衣料品の業者が、
なけなしの金を握って集まって来た。
そして唐草模様のふろしきに、目当ての衣類を
詰められるだけ包んでまた夜行に飛び乗った。
列車に乗り遅れた者や目当ての服が見つけられなかった
者は仕方なくどこかに宿を取らなくてはならない。
不思議なことにそんな宿は通りの一階にあったのは稀で、
たいていは店の2階や3階にあった。
一階で商品を並べて、倉庫兼用の2階に寝てもらったのだ。
ただでさえ通りに面した1階は商品が並べられていて、
なかにはみかん箱の上に衣類が山とつみあげられただけの
店さえあった。
 
岐阜駅に一番近い街で、かつてはまっすぐ歩くことさえ
困難なぐらい賑わっていた通りも、今はゴーストタウンに
なってしまった。さまざまなドラマが悲喜こもごも繰り返された
であろう通りをぶらぶら歩いてみたが、わたしと野良猫が
一匹いるだけだ。

次回に続く