山で一番恐ろしい生き物

12月7日(土)
午前 空き有り
午後 最終空き有り

12月9日(月)
午前 空き無し
午後 空き有り

12月10日(火)
午前 空きあり
午後 空きあり

 山で一番恐ろしい生き物となると、まず真っ先に想いうかぶのは熊だろうが、その熊に襲われての死亡事故は意外に少ない。環境省の発表によると2024年11月末で全国で6人しかいない。熊出没のニュースは毎日のようにあって、先日も秋田県でスーパーに現れ、肉類をたらふく食べて居座ってしまったことが話題になった。警察やライフルを持った猟友会が何人も出動し、大騒ぎをしたが、捕獲するまで二日も掛かってしまった。犬や猫なら取っ組み合いをしても死ぬことはないが、熊となるとさすがにそう簡単ではない。月の輪グマの大きい奴なら体重100キロぐらいだが、同じ体重の人間と取っ組み合いをしたなら、ほぼ確実に人間がやられてしまうと言われている。

 出来れば山を歩いていてこんな奴とは遭遇したくないが、そんな熊よりも恐ろしい生物が山にはゴマンといる。金華山、百々ヶ峰、水道山にも出没する。それは蜂で、なかでもスズメバチは特に狂暴好戦的で、環境省のデータでは2024年度に限っても20人が死亡しているらしい。熊の倍以上の被害だから、恐ろしい。

 わたしは先月そのオオスズメバチの大群に遭遇してしまった。長良志段見の岩舟山に登っている時に”ハチ合わせ”してしまったのだ。岩舟ロックガーデン頂上で昼飯のカップラーメンを食べている時、3匹の偵察隊がブンブンやって来て、わたしの回りをグルグル回りだしたのだ。カップラーメンの匂いを異常なものと認識しての威嚇偵察だったのだろう。「厄介な奴らだな」と思ったが、そのままラーメンを食べ続けたが、そのうちの一匹がわたしの肩に停まってじろりとにらんできた。「困ったな」と考えつつも、そいつを払い落とすことをしなかった。もしこちらが叩いて反撃したなら、他の二匹が近くにある巣に帰って大部隊に連絡することが分かっていたからだ。3匹の偵察隊を派遣できる部隊はかなり大きなもので、500匹ぐらいで構成された師団クラスだっただろう。そのなかには攻撃専門で女王陛下直属の特殊部隊も控えているから、のんびり昼飯を食べている人間などひとたまりもない。

 息を殺して静かに立ち上がりその場をはなれたが、生きた心地がしなかった。脇の下にびっしょりの汗だったことは言うまでもない。

 ハチに遭遇した時は大きな声、急激な動作は絶対ダメと、テレビのスズメバチ駆除ハンターが言っていた。